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日本初の缶ビール・特集(2) [Asahi Beer]

「アサヒゴールド」の初期の箱と缶切りをご紹介します。

【1ダース入りで発売された箱です・左が初期、右が改訂版】
 ・箱は厚手のボール紙製です。

 ★初期の箱は「ASAHI BEER」で右側は「ASAHI GOLD」と書かれています。

 ・発売当初は「ゴールド」の名がまだ出ていなかったのかも知れません。
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・初期の箱フタの缶の写真下に(缶切り付)の文字がありますが、改訂版にはありません。
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【箱のフタの裏に張られた開缶や取り扱いの注意書き。上が初期のもの】

 ★「缶入アサヒビールを おいしく味わって頂くために・・・」
  「缶入アサヒゴールドを おいしく味わって頂くために・・・」
  と初期と改訂版では説明書きのタイトルも異なっています。
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★付属の缶切りは、イラストが示す如く形が異なっています。
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箱裏に貼ってある注意書き文は、次のように書かれています。(原文タテ書き)
タイトルは初期のもの:「缶入アサヒビールを おいしく味わって頂くために・・・」
改訂版では「缶入アサヒゴールドを おいしく味わって頂くために・・・」となっています。

①専用のカンキリで・・・・・
缶は 強い内圧に耐えるため普通より厚めにできています
函についているビール用缶切りをご利用ください

②静かによく冷やしてから・・・・・
お開けになる前に 缶は静かに そして充分冷してください
缶入りビールの場合は 特にこの点をご注意ください

③穴は大きく内側に・・・・・
穴は 図の様に爪に親指をかけて ひといきに大きくおあけください
穴が小さすぎるのは ガスが吹きだすもとになります
次に 反対側に もうひとつ 空気孔をおあけください
ビールが飲みやすくなります

④缶からじかに・・・・・
できるだけ 缶からじかにお飲みになるのが 
缶入りビールの最もおいしい飲み方です
コップに移しかえるときに 炭酸ガスが逃げるおそれもないし
じつは いちばん清潔でもあるわけです

お早くお飲みください ビールは生きものですから・・・
新鮮なうちに召し上がるのが ビールをおいしく味わって頂く秘訣です


【缶切りは紐で箱につながって付属しています】
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【2種並べてみました。開けられた穴と缶切りの刃先がピッタリ】
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【アサヒビールの缶切り】

★上から「日本初」のビール缶用缶切り、二つ目は改良型で「CAN TAPPER」と刻印があります。このタイプの缶切りは日本独特のもので、諸外国では見当たりません。三つ目の小さいのは、アルミトップ缶(上ブタがアルミニウムで軟らかく開けやすい缶)が出回った時代(1975年頃)のものでしょう。AB CAN OPENERと刻印があります。

★一番手前は、1935年に発売された「世界初の缶」にイラストで表示されている缶切りです。(大きさ比較用)
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日本初の缶ビール・特集 [Asahi Beer]

1958年に発売された日本初の缶ビール「アサヒゴールド」の復刻版が発売されました。

BEER CAN MUSEUM 所蔵の「アサヒゴールド」をご紹介します。
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・左から1、2番目は、初のアサヒゴールドと改訂版(上ブタの文字が異なります:下記説明を参照ください)
・3番目は米国へ輸出されたものです。
・4番目は国内で発売されたものです。
 (朝日のマークが少し大きく、地色が白っぽくなっています)
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【上ブタの違い】
・左2種は、フラットトップと呼ぶ、平らな上ブタを缶切りで開けるタイプの缶です。
・右2種は、缶切りのいらない「プルトップ」がついます。
1962年PULL TAB(プルタブ:プルトップ)が米国で開発され、市場に出ました。
"Fan Tab"や"D Tab"と名づけられ普及を図ったのですが、指を切ったりする事故も多く、スムースな切り口に改良が重ねられたようです。

写真の右2種のタイプは、米国で”U TAB”と呼ばれ、1963年~65年にかけて出回りましたが、新たな改良品と重複して出回った時代です。
右端の”U TAB”はその形から”鍵穴型”KEYHOLE SHAPEDと呼ばれます。


・左2種の上ブタ注意書き説明
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【最初の缶の注意書・黒文字】
・缶切の先に親指をかけ大きいアナを二ツあけてください
・アナが小さかったり缶をゆすぶるとビールが吹き出す事があります
・なるべく冷やしてからお飲みください
・乗物などの窓からアキ缶を投げると危険です 腰かけの下にどうぞ
・空缶はいろいろな用途にご利用ください

【改訂版・赤文字】
なるべくお早くお飲み下さい
それがビールをおいしく召し上がるこつです
・専用の缶切りで大きなアナを二ツあけて そのままじかにお飲み下さい
・あまり缶をゆすぶるとビールが吹き出ることがあります
・乗物などの窓からアキ缶を投げると危険ですから腰かけの下にどうぞ・・・

★文面文字は上ブタに印字されているものと同じです。


【TAB缶2種拡大:上の写真と左右の缶が入れ替わってますが・・・】
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【TAB缶2種の底ブタの注意書き】

★手持ちのアサヒ缶の底ブタには、右側”U TAB”の説明書きがないので、タカラ缶の説明書きを表示します。
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【空缶を使った例(右)】

★上の説明書き中「空缶はいろいろな用途にご利用ください」を実行した例です。
・この缶は、多分機械オイルなどを入れるために作られたものだと思います。
(元の缶とは高さが違っていて、「使用後」に加工されたものと判ります)
もしかしたらオイルなどを入れ、その品名の紙ラベルを巻いて販売されたのかも?
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【アサヒゴールド・新旧】
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【所蔵する初期のアサヒビール缶の一部・下段は復刻缶】
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